2023/10/14
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結婚式のスピーチにおける「オチ」について、別の視点から考えてみましょう。「オチ」をスピーチの締めくくりとして捉えるならば、それは確かに正しい考え方です。
スピーチの構成において、締めくくりはとても重要な役割を担っています。優れたスピーチは、聴き手の心に残る余韻を残すものです。そしてその意味で、締めくくりの言葉は特別な重みを持ちます。ここでいう「オチ」とは、必ずしも笑いを取るための冗談ではなく、スピーチ全体を美しく包み込み、まとめ上げる結びの言葉と捉えることができるでしょう。
結婚式というのは、人生の大きな節目を祝う晴れやかな場です。そこでのスピーチは、新郎新婦の新しい門出に相応しい言葉で締めくくられるべきでしょう。それは心からの祝福であったり、将来への温かな願いであったり、あるいは二人の関係性に対する洞察かもしれません。
「オチ」という言葉から連想されがちな「笑い」や「驚き」を狙った演出よりも、むしろスピーチ全体の流れを自然に、そして印象深く締めくくる言葉こそが、本来の意味での「オチ」と言えるのではないでしょうか。
上司として部下の結婚式でスピーチをする場合、その締めくくりには、職場での思い出や成長の軌跡から、新しい家庭を築く二人への期待や応援の気持ちへと繋がる言葉が適しているでしょう。それは必ずしも面白おかしいものである必要はなく、心からの誠実な言葉であることが大切です。
スピーチの締めくくりとしての「オチ」は、聴き手に何かを「与える」ものでなければなりません。それは笑いや驚きといった一時的な感情だけでなく、温かさや希望、あるいは深い共感といった、より持続的な感情であることが望ましいのです。
結婚式というハレの場にふさわしい締めくくりとは、新郎新婦を中心とした場の空気を高め、祝福の気持ちを集約するものであるべきでしょう。そのような締めくくりができれば、それこそが理想的な「オチ」と言えるのではないでしょうか。
締めくくりの言葉には、スピーチ全体の印象を左右する力があります。だからこそ、「オチ」をスピーチの締めくくりとして大切に考えることは、決して間違いではありません。ただし、その本質を見失わないことが肝心です。それは自己表現ではなく、新郎新婦への祝福を伝えるための手段であるということを忘れないでください。
真に心に残る締めくくりの言葉は、話し手の真摯な気持ちから生まれるものです。形式や技巧にとらわれず、心を込めた言葉でスピーチを締めくくりましょう。そうすれば、自ずと美しい「オチ」になるはずです。