結婚式 スピーチのこと ラインホールドのブログ

結婚式のスピーチを制作の側から。

ショート劇場:「テンプレートなんて置いてねぇ」

time 2025/05/08

登場人物:

佐伯部長(部下の結婚式スピーチを任されるも、やる気ゼロ)

篠崎課長(空気の読めない努力家)

野口(新郎)(部下であり新郎。やや天然)

野口の母(言葉少なだが鋭い)

式場スタッフ・佐知子(23歳、妙に察しがいい)

 
 
(会社近くの居酒屋の片隅で)

佐伯部長、ハイボールを片手に愚痴をこぼす。

「テンプレートだぁ? おれが? 探してる? まあ……探してるっちゃ、探してる。けどよ、あれはな、もう“敗北”の始まりなんだよ。」

向かいの篠崎課長、キラキラした瞳で応える。

「僕はもう3パターン用意しました!『涙で濡れるハンカチ編』『笑いで崩れるメイク編』『安心感で会場が包まれる編』! どれがいいと思います!?」

佐伯、煙草の吸えない時代の灰皿をむなしく見つめる。

「ぜんぶ違う意味で破壊力あるな……」

 
 
(式の前日、会社の給湯室)

佐伯、ポットのお湯をじっと見つめながらひとりごと。

「スピーチで褒めるってのはな、ようするに“おれはこの人を信じてる”って言うことだ。でもよ、それを格好つけて言おうとした瞬間に、ぜんぶ嘘くさくなるんだよ……」

そこへ新郎・野口がコーヒー片手に現れる。

「部長、スピーチ……無理しないでくださいね。ぼく、そういうの、あんまり得意じゃないの知ってますし。」

佐伯、驚く。

「なんだよ、その言い方。……泣かす気か?」

野口、にかっと笑う。

「へへ、ちょっとだけ。」

 
 
(結婚式当日・控室)

式場スタッフの佐知子、淡々と説明しながらも一言添える。

「マイクの音量は調整できますので、噛んでもごまかせます。あと、言葉に詰まっても大丈夫ですよ。黙ってうなずいてれば、感動したと思ってくれる人もいます。」

佐伯、苦笑。

「君さあ……若いのに百戦錬磨か?」

佐知子、静かに笑う。

「毎週、5人は見てますから。泣く上司、笑わせる上司、黙る上司……全部、素敵ですよ。」

 
 
(披露宴会場、スピーチ壇上)

佐伯、静かに立つ。

「えー……ご列席の皆様。部下である野口の上司として、ひとこと申し上げます。ええ、テンプレートなんてものは用意しておりません。」

会場、ざわ……

「そもそも、野口って男はな、テンプレートが通用しないやつだったんです。なんせ、初日から“帰り道がわかりません”って言ってきた。……社会人だぞ? スマホの時代だぞ?」

笑い。

「でもまあ、そういうやつが、こうやって人生の帰る場所を、ちゃんと見つけた。今日、皆さんの前で。……そう思うと、俺としても、ちょっとだけ、うれしいわけです。」

静かな拍手。涙ぐむ新郎の母がつぶやく。

「……あの人、不器用だけど……嘘は言わない人だね。」

 
 
(披露宴後、ホテル入り口の喫煙所で)

佐伯、外の喫煙所で一服(もちろん電子タバコ)。

篠崎課長が駆け寄る。

「部長、僕、やっぱり三パターンやめて、アドリブでいこうと思いました!」

佐伯、呆れたように一言。

「アドリブの前に、まず“人を見る目”を鍛えろ。」

 
 
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