2023/10/14
以下をアップしました。
「結婚式スピーチの面白い例文ありませんか？」
この質問をする上司の方々へ。残念ながら、そもそもこの質問自体に大きな問題があります。「面白い例文」を探す行為は、ある意味で自分自身との対話を放棄していることに気づいていますか？
例文を探そうとする人に「自分の言葉で話しましょう」と言っても、おそらく響きません。なぜなら、例文を探すという行為自体が、すでに「自分で考えたくない」という無意識の選択の結果だからです。
ここで立ち止まって考えてみてください。なぜ例文を探そうとするのでしょうか？「時間がない」「センスに自信がない」「失敗したくない」—様々な理由があるでしょう。しかし、その根底には「自分の言葉では不十分だ」という思い込みがあるのではないでしょうか。
例文を探す行為は、言わば「自分の言葉」への不信感の表れです。他人の言葉を借りれば安心だという思考の罠に陥っているのかもしれません。しかし、考えてみてください。新郎新婦が本当に喜ぶのは、インターネットで見つけた誰かの言葉でしょうか？それとも、たどたどしくても、あなた自身の言葉でしょうか？答えは明らかです。「面白い例文」を探す前に、まず「例文を探そう」という思考パターン自体を見直す必要があります。これは、言葉の問題ではなく、考え方の問題なのです。
例文を探す人は、しばしば「完璧なスピーチ」を目指します。しかし、完璧なスピーチとは何でしょう？笑いを取ることでしょうか？感動させることでしょうか？実は、「完璧」を目指すこと自体が、心からのメッセージを伝える妨げになっているのかもしれません。
考え方を変えるのは簡単ではありません。しかし、それが最も重要な一歩です。「面白い例文」ではなく、「自分と新郎新婦との関係性」に目を向けてみてください。そこには、きっとあなただけの言葉が眠っているはずです。「でも、自分では上手く言葉にできない」と思うかもしれません。それでも、他人の言葉を借りるのではなく、自分の言葉で語る勇気を持ってください。完璧でなくても、あなたの言葉には他の誰の言葉にもない価値があります。
結婚式のスピーチは、文学的な美しさや笑いの量で評価されるものではありません。それは、あなたと新郎新婦との関係を表現する、かけがえのない瞬間です。
例文を探す行為から離れ、自分自身と向き合う勇気を持ってみませんか？それは決して容易ではないかもしれません。しかし、その先には、インターネットの例文からは決して得られない、本当の満足感が待っているはずです。
考え方を変えることから始めましょう。それが、心に残るスピーチへの第一歩なのです。