2022/10/21

「社員がもっとやる気になってくれれば」
というのは、役員・上司の万国共通の悩みです。
「やる気」をどう捉えるかは稿を改めるとして、ここでは便宜的に「精力的に、前向きに仕事をしようとする気持ち」と定義してお話をしますが、
この「やる気」の有無で、仕事ぶりは大きく変わる、という当然の事実は、自社でなくても、日常のどんな場面でも接することができます。
分かりやすい例を挙げれば、コンビニの店員さん。
もう何年も前から、東南アジアの方がレジを務めており、今春(2019年春)の入管法改正によって、外国人労働者の本格受け入れが始まり、今後、もっともっとコンビニ業界はこの改正の恩恵を受けることになるはずです。
誰もが一度は、東南アジアの方にレジを担当してもらったことがあるのではないかと思いますが、
正直、日本人の若い子よりも、東南アジアの人のほうが、接客のレベルが高かったというご記憶はないでしょうか?
もちろん、その人によりますが、それは置いておいて、日本のいわゆるフリーターや学生さんのやる気のない対応に比べて、東南アジアの人のほうが、丁寧で一生懸命やろうとする姿勢が感じられます。
コンビニのレジ対応は、ぶっちゃけた話、何も難しいことはなく、頭も使いません。「ピッ」とやって、お金をもらって、お釣りを返すだけです。誰にでもできる仕事です。
誰にでもできる仕事で、お客様と対面する仕事であれば、もっとも差が付きやすいのは、「感じが良いかどうか」「丁寧などうか」など、接客のレベルの部分です。
相対的に、東南アジアの店員さんのほうが、感じが良いことが多く、丁寧に感じるのは、あなたや私だけではないはずです。
ここに、「やる気」のヒントが隠されているような気がします。
日本のフリーターや学生さんにはなくて、東南アジアの人にあるもの。
もっと精緻に言うと、日本のフリーターや学生さんよりも、東南アジアの人のほうが強く意識しているもの。
それは、目標であったり、夢であったり、未来(これから先)において、意識的にか無意識かは別にして、どのようなものを成し遂げようとしているか、今持っているどのようなものを守りたいと思っているか、その強さが「やる気」の強弱を左右しています。
役員や上司が、いくら口をすっぱくして自社の社員・スタッフに「やる気を出せ」と言ったところで、やる気が出たためしがありません。これは、貴社だけではなく、どこの会社でも一緒です。弊社でも同じです。
逆説的ですが、「やる気」を出させるためには、「やる気」を出させようとせず、「やる気」が自然と出るように仕向けることが必要で、そのためには、当該社員・スタッフの未来を明確にしてあげる必要があり、同時に、未来を明確にするためには過去と現在もまた、明確にしてあげる必要があります。