2020/07/19

残業ありきの仕事量とエクセル
先日、大手建設会社の営業部の課長さんとの打ち合わせ。
この営業部、残業(時間外労働)が常態化しているのですが、2024年施行の労基法改正により、今のままだと法違反になるため、
「これを法の範囲内に収めないといけないので、知恵を授けて欲しい」
というご要望だった。
よくよく話を聞いてみると、会社としては、
「法の範囲内で引き続き残業(時間外労働)ありきで考えている。そうじゃないと仕事量が足りないから。しかもそのうえ、多様化する価値観を尊重したり、ワークライフバランスを構築する気持ちです。」
とのことだった。
この会社、セブンイレブン(7時出社23時退社)とまではいかなくても、毎日、結構な労働時間になっていた。
これを法の範囲に収めようとするのはいいのだが、法の範囲で残業をさせることが前提となっており、そのうえ、価値観とかワークライフバランスとか。。。
しかも、法の範囲に残業を収めようとすると仕事量が足りなくなり、売上・利益とも下がってしまうので、会社はそれを恐れている。
それを回避するための施策として掲げたのが、
業務の効率化
だそうなのだ。
無駄を削減とか、ICT化、AI活用などを考えているらしいのだが、いや、だから、それを含めても残業ありきなのだから、それ根本的に人が足りていないのでは?という疑問がある。
人を採用しづらい業界だからなど、いろいろ理由があるそうなのだが、平たく言えば、人件費がかさむのが嫌なだけらしい。
そもそも時間外労働で高い残業代を払うのだったら、ふつうに時間外労働をなくして就業時間内で終わる仕組みを作ればよいのにと思うのだが・・・
そこで私はこのようにアドバイスをした。
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労働量の不足は、時間外労働頼みだった労働量が、法改正で制限がかかったうえで引き続き時間外労働頼みになるのが原因であり、であれば「効率化も必要かもしれないけれど、単に労働者の人数が足りていないだけなのでは?」という疑問がどうしても払しょくされないように思います。そこに触れませんと、「働き方」や「ワークライフバランス」は語れないのでは、と感じます。
良いか悪いかは別にして、施策の一例として、仕事ができないわりに給与が高い50代以上を整理解雇して、浮いた人件費で20代30代をたくさん雇用します。バックオフィス業務は外注して事務担当者の数を減らし、浮いた人件費でやはり若く動ける人材を雇用します。また、(一日の就業時間を短くして子育て世代を雇用する、あるいは学生を雇用する。などなど、やりよういろいろあるかなと思います。
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すると、お客様の回答は、
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当社はリストラは創業以来しておらず、人材は人財と言ってるぐらいなので、解雇のワードは後ろ向きと捉えられるかも知れませんね。
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だった。。。
うーん、典型的な洗脳教育の賜物なのか、それともマネジメントを理解していないのか。課長さんだからしようがないのかなと思った。
この種の話は課長クラスと話していても前に進まないなと思い、その後、部長さんと話したところ、課長以上に
「残業時間の上限が縮小されることで、営業部が被るリスクはきめの細かい営業活動ができなくなることだ」
と言っており、
いや、だから、人足りてないだけでしょと思いましたが、まあそういう会社さんですので、そのまま緩やかにスルーさせていただきました。
ところで、業務の効率化とか言うと、この会社さんのように、すぐにITがどうとかAIがどうとか、最近ではDXがどうとか、ぜんぜん意味も分かっていないのに持ち出します。
実際、上述の課長さんは、タブレットでZoomを使うのがDXっておっしゃってました。。。
もちろん、これらに力を入れていただいてもいいのですが、意識の高いことを言っていないで、先に手近にできることをすればよいのになと思います。
たとえばエクセルなんて、使いこなせる人が少ないだけで、とても手近で業務を効率化できるツールです。
エクセルのマクロ作成代行
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