ラインホールドのブログ

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クラウドソーシングが突き抜けない理由

time 2021/01/16

先日、大手クラウドソーシングで見つけて利用していた福祉系ライターがおやめになった。

厳密に言うと、こそッといなくなろうとするので、やんわり「こそこそしなさんな。やれるの?やれないの?」と言ったところ、「そうやって一方的に人を傷つける評価をするのも辞めようと思った理由です。参考になさってください」と、捨て台詞を吐いて、いよいよどこかへ行ってしまった。

「人を傷つける評価」を振り返って考えたところ、たぶん、成果物の水準が当社が求めるそれより大きく下回っていたため、それを指摘し修正を指示したことが気に食わなかったらしい。

その指摘を根に持っていて、それでそーっとフェイドアウトしようとしたら、見つかったので、ふてくされたということかなと。むっ、難しい人ですね。。。

しんどかったら言ってくれたらよかったのに。無理にやってもらうつもりもなかったし。なんだか悪いことしたなあと、ちょっとだけ思う。

 
クラウドソーシングはあまり使ったことがなく、というか2人しか使ったことがないため、正確なことは分からないが、なんとなく、クラウドソーシングって登録制で誰でも「やります」「やれます」をうたって副業にすることができるので、けっこう微妙な人が多いのかも。

この福祉系ライターさんも「介護福祉士の経験を元に福祉周りの原稿を作れます」的な触れ込みだったのだが、今思えば、介護福祉士さんが収入を増やすためにライター登録して仕事を募っているというだけで、本職として介護の経験はあるけれど、文章を書けますかと言えば、ちょっと微妙だったのかもしれない。

クラウドソーシングには、プロフィールを見る限りは専門職で「バリバリの人」もいるので、当社がはずれを引いただけなのかもしれないが、実際のところ、いい仕事をする能力があれば、クラウドソーシングに登録しなくても顧客獲得はできるだろうし、能力がない、あるいは小さいから地力を仕事を作り出せないので登録しているのだと思うし。まあ、もちろん自力で集客するためには、いろいろな施策が必要なのはわかるけど。

あと、そもそもの話、本業と副業が近しいものであれば自分の能力が発揮できていいけれど、介護と文章作成というような、まったく異なるものである場合、本業にはなり得ないからこその副業であって、だからこそ決してレベルが高くないのではないかと。

で、発注側も「クラウドソーシングってしょせんこんなもん」と思ってしまうと、しょせんこんなもんレベルの仕事しか出さなくなる。もしくは反対かな。まあ鶏と卵の先出しどっち?っていうレベルでどっちこっちないか。

仕事が安すぎるしね。だって、この福祉系ライターがはじめに提示してきた報酬は1文字1.5円。でそこからプラットフォームに手数料20%引かれるので1.2円になる。安すぎると思う。まだこれでもましな方で、1記事500円、指定のキーワードをちりばめて、みたいなゴミ記事依頼があるし、それを受ける人もいる。

クラウドソーシングを使った副業が言われて久しいけど、どうも突き抜けた感がないのはこの辺の供給と需要双方の「質」が関係してるように思う。

とか、このあたりのことって、経営学の大学院で論文をしっかり書けそうな題材だな。

今のところ、プラットフォームとしては突き抜けづらく、それなら専門職の人材紹介サービスのほうが、利用する側にとったらいいのかもねと思ってしまう。

仕事の仕方のこと