2020/07/19

弊社は、別事業で原稿作成業務を行なっています。
その中でも、けっこう珍しいところではお詫び文の作成を行なっていまして、そのまんま文字通り、お詫びをするための文書です。
お客様との打ち合わせの際には、形式的に提出する話や洒落にならない話、「会社、もう終わった、、、」というジ・エンドな話など、悲喜こもごものお話をいただきます。
その中で、つい先日、人材のマネジメントの部分に落とし込める良いお話がありましたので、シェアさせていただきます。
そのお客様は会社社長で、どうやら、社員さんが何かをやらかしたことで、事業継続ができない状況になったようです。しかし、取引先に迷惑をかけるのは避けたいことから、知り合いの同業さんに自社の業務を引き継いでもらえるように手配し、半年が経ちました。
結局、弊社に作成の機会がありませんでしたので、細かにはうかがっていないため、どういう理由かは分かりませんが、半年経って時点で、自社が事業継続ができない状態ではなくなった、つまり、これからは以前のように事業が行なえるようになったらしいのです。
作成の相談をいただいたのは、そのことをお詫びかたがた取引先に文書で伝えたいというものでしたが、その社長さん、事業継続ができない状態になった社員さんのことを恨みに思っていないんです。
その社員さんのことで、会社がぶっ飛ぶくらいの衝撃を与えられたわけですから、怒髪天を衝いても不思議ではありませんが、でも、その社長さんは「まあ、しゃあないねえ、長いことやってたら、こんなこともあるよ」と、ずいぶんとあっさりしているような様子でした。
結局、問題となっていた社員さんはさすがに辞めていただくことになったようですが、社長さんはこの半年、事業を再開できるようにあの手この手を尽くしていたようです。
「それはそれで、大変だったけど、準備が面白かったね」
とは社長の言葉ですが、実際のところ、めちゃくちゃ大変だったと思いますし、焦燥感たるや、ものすごいものがあったと思うんです。
そういうキャラクターの方と言ってしまえばそれまでなのですが、しかし、明らかにネガティブな状況でにあって、そのままネガティブに捉えるのと、ポジティブに捉えるのとでは、同じ景色なのに見え方が変わるんですね。
と、こう思いますと、普段、「あいつ、動きめちゃくちゃ遅い」とか「仕事全然できない」とか、社員さんの文句ばっかり言っている役員さんって結構多いですが(たぶん)、それはネガティブな捉え方であって、これを、「良く見れば遅いんじゃなくて、ものすごく丁寧にやってる気がする」や「今の部署には合っていない、別の部署では活躍するかも」と、ポジティブに捉えることで、その社員さんは、じつは会社にとってめちゃくちゃ大事な存在だということに気がつくことになるわけです。
ポジティブに捉えることで、関わるみんながハッピーになる(またはアンハッピーにならない)ので、結果として一番その恩恵を受けるのは自分(会社)なんですね。